洲珠乃日記(すずない)

気ままな更新とサイドカーやゲームのブログ

ペルタスタイ

ペルタスト(単 英:Peltast 希:Πελταστής)
ペルタスタイ(複 英:peltastai 希:Πελτασταθ)


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Rome:Total War-Europa Barbarorum-より ペルタスタイ 小型の縦長丸盾

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Rome:Total War-Roma SurrectumⅡ-より トラキア系ペルタスタイ 卵形盾

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Rome:Total Warより トラキア兵バスタルナエ 小型三日月盾(ペルテ)

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Rome:Total War-Europa Barbarorum-より クレタ弓兵 小型の丸盾


■歴史背景
ペルタスタイは元々トラキア地方の軽装歩兵がモデルになったと考えられ、ペルシアとの戦争後に徐々に浸透してきたとされる。その後は特にギリシアの影響を受けた地域ではよく見かける兵種になっている。軽装歩兵とは古代ギリシア共和制ローマでは主に弓、投石、投げ槍、短剣などを武器とし、革鎧と小型の盾(ペルテ)を装備している。このペルテがペルタスタイの由来だと考えられている。重装歩兵以外の兵士を指すことが多い。ペルタスタイが登場する以前は、重装歩兵と重装歩兵がぶつかり合うだけの単純な戦闘でしかなかった。しかしペルタスタイの登場で機動的な戦闘が可能になった。


■装備と任務
初期のペルタスタイは、長い槍と2、3本の投げ槍、木の板に革を張ったトラキアの小型で三日月の形をした盾(ペルテ)を装備していますが、これは4世紀頃に廃止された。ヘルメットの採用もされたようだ。ペルタスタイは軽量な装備によって素早く移動することができ、主力と主力がぶつかるまでの間に間接的な攻撃をして敵を攪乱させるのに用いられた。元々は投げ槍と近接攻撃用に刀剣しか持っていなかったのではないかと考えられている。また、盾もペルテを装備する以降か以前かは不明だが中規模の卵形の盾を装備していたと考えられている。


■イフィクラテスのペルタスタイ
アテナイの将軍イフィクラテスは、ペルタスタイに装備の変更をしてその用途の幅を広げています。イフィクラテスはペルタスタイの装備を次のように変更しました。通常の重装歩兵の槍よりも長く4メートルほどの槍に伸ばした。ペルテの採用(元々は投げ槍と短刀しか持っていなかったと思われる)、胸当ての変更などが言えるだろう。これはペルタスタイを散兵として使いつつ必要となれば側面や背面から敵を襲撃したり、主力が到着するまでペルタスタイで一定時間戦線を支える役目を与えたのではないかと考えられる。だが、イフィクラテスのペルタスタイには一つの疑問がある。それは重装歩兵の軽量化なのか、軽装歩兵の強化なのか分からないという点だ。後にこの軽重の中間にあたる部隊を採用した物としてトゥレオフォロイ(英:Thureophoroi)やトラキタイ(英:thorakitai)がある。


■ペルタスタイとアコンティスタイ
アコンティスタイ(英:akontistai)については別の記事で後日記載をするが、ペルタスタイとは元から軽量化した上記のような部隊の事を指し、アコンティスタイは上記に記載した(元々は投げ槍と短刀しか持っていなかったと思われる)兵士だと思って貰えれば良い。

ペルタスタイとアコンティスタイの大きな違いはその階級によるのではないだろうか。アコンティスタイは低所得者によって構成され、非常に粗末な武具しか持っておらず統一された装備を持っていなかった。ペルタスタイは装備が統一されて組織化された部隊であり、アコンティスタイとは違って近接戦闘も可能であった。