洲珠乃日記(すずない)

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トゥレオフォロイ

複:トゥレオフォロイ(英 複:Thureophoroi)
単:トゥレオフォロス(英 単:Thureophoros)

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Rome:Total War-Europa Barbarorum-より トゥレオフォロイ


■歴史的背景
彼らは紀元前3~1世紀にかけて存在した一般的な歩兵部隊でした。彼らは大きな楕円形(アーモンド形)の盾を持っており、これはトゥレオス(英:thureos)と呼ばれる盾で部隊名の元にもなりました。トゥレオスはガラティア地域(現トルコ西部)で使われ、後にイリュリア、トラキアへと広まったようです。トゥレオスの真ん中には盾の骨ともいうべき木の板が一枚盾の中央にあり、それを元にして楕円形の形を作っていった。素材は木の板に革を張ったものだった。彼らはその特徴として、当時のギリシアで主流だったホプリタイ(重装歩兵)とペルタスタイ(軽装歩兵)の中間に位置する部隊として考案され、汎用性に富み、特に機動力が一番の武器であった。彼らは足の遅いホプリタイの側背に素早く移動して投げ槍を浴びせ、その後に槍を持って敵を攻撃した。彼らはイタリアのローマ軍団歩兵に学んだ部隊であるとしばしばラテン系の書物に書かれているが、アレクサンドロス大王死後のディアドコイ(後継者戦争)に参加していることから、ローマよりも更に古いのではないかと考えられている。特に、ローマ軍が採用したピルムとピラはサムニウム戦争から採用されたというのが一般的な考えられており、すでに完成の域にまで達していたトゥレオフォロイはもっと以前から存在したのではないか、というのである。彼らは元々ペルタスタイから発展したものだと考えられており、始めに登場したのは紀元前4世紀頃であり、その時にはまだ盾は小型の三日月盾(ペルテ)か小型の丸盾を装備していたと考えられている。特に当時ペルタスタイは傭兵としての通称となっており、それらと区別する為にトゥレオフォロイという名前がついたという考え方もされている。各地の歴史的遺物である壁画にもトゥレオフォロイはよく登場しており、その一般的な存在を示している。


■装備と任務
トゥレオフォロイは長く敵を突く為の槍、投げ槍、剣で武装しており、鉄や青銅のマケドニア式ヘルメットを被っていることが多かった。彼らは重装歩兵と違って機動性に富んだ部隊であったため、重装歩兵の側背を攻撃するのに使用された。また、重装歩兵と比べて汎用性に富んでいるためあらゆる局面で活躍したと考えれれる。


■トラキタイとの比較
ほぼ同じ部隊と言ってよく、トラキタイの方がトゥレオフォロイよりも後に考案された部隊だという事がわかっています。トラキタイについては既に記事を掲載しているためそちらを参考にしてください。