洲珠乃日記(すずない)

気ままな更新とサイドカーやゲームのブログ

投石紐兵についての補足

前回の記事でスフェンドネスタイについて記事を投稿させてもらった。
だが投石兵について更に記事を書きたいと思う。


そもそも投石と弓はほぼ同時期に登場したと考えられているが、弓と投石とでは全く違う用途が考えられていた。つまり、弓は敵を貫通して射抜くという事で敵を殺傷する。しかし、投石はその石弾の衝撃力によって敵を昏倒、死傷、骨折、武具の欠損がその目的であったことだ。特に防具の進化が始まっていた当時、金属製の防具であっても弓とは違って損傷を与えることが可能だった。鎧を装備していなければ人体に裂傷を負わせ、体にめり込む事もあった。また別の記事で投稿することになるが、バレアス諸島の投石紐兵たちはそのような石弾をほぼ100%命中させる事が出来たのだという。事実だとすれば非常に恐ろしい存在だ。また、弓とは違う恐怖を投石兵と対峙した敵は感じることになる。弓は射出されると上空から弧を描くように落下してくる。だが、投石は多少の弧を描くことはあっても命中率を考えるのであれば銃と同じで直線に飛ぶと考えた方が自然ではないだろうか。つまり、集団で投石を行った場合、目に見える速度(野球の球と似ているかもしれない)で大量の石弾が眼前から飛んでくることになる。これは想像するだに恐ろしい。集団で発射された石弾は、大砲で考えると葡萄弾と似ていると思う。それが飛んできたと考えれば想像しやすいかもしれない。もちろん威力は大砲よりずっと下であることは言うまでもない。更にそれらの石弾が盾を割り、剣や槍を損傷させ、骨を砕いて周囲にいる兵士を怯えさせ、近接戦闘では欠けた盾や剣、槍などで戦闘せねばならず、その者達は戦闘で不利になったことだろう。さて、では集団で狙いを定めないで投石した場合はどうなるであろうか。この場合は直線に飛ばすよりも弓のように弧を描いて落下させたのではないかと考えられる。前者は近距離で、後者は遠距離用と考えるのが自然な気がする。だが、これら投石兵は複数の紐を所持していた。それは射程距離が延びれば使う紐が長くなり、射程距離が短い場合は短い紐を使用した。これらの紐は様々な種類が存在するが、髪、動物の腱、黒藺草(くろいぐさ)をあんだものだった。また、しばしば彼らは投石態勢に入るのに一定の間隔が必要で、そのため戦場の中で広い範囲を占めると考えられていた。だがこれは間違いで、案外弓と同じように密集して使うことが出来たようだ。だがこの部分を詳しく考えると、密集隊形を突然徴募された兵士が出来るのかと考えると、それには個人的にかなり疑問を感じる。これは投擲態勢が一番の疑問点になるのだが、これを考えるにはスポーツ選手を元に考えるとわかるかもしれない。野球などがそうだが、基本的には同じような投擲態勢をとっている。だが中には変わった投げ方をする人がいる。つまり同じ訓練を受けた部隊ならともかく、一般徴募した兵士たちが皆同じような間隔で部隊を展開でき、投石が出来たとは私には考えにくいのだ。私見なのでこのあたりで止めておく。変わって別の時代であるローマ皇帝トラヤヌスは縦隊の密集隊形を組んだとされる。これについては詳細な情報を私は持っていないのでどういう経緯なのかは不明だ。だがやはり投石紐兵は弓と違って大規模で運用するには訓練が必要だっとあり、その組織的行動には相当量の訓練が必要だったと記されている。彼らの打撃力は時代が弓から火器に変わってもその脅威度は変わらなかった。なぜなら火器でさえも彼らの石弾に当たってしまうと多少なりと変形し、人体に与える損傷は変わらなかったからだ。


まだ調べている最中であり、あまり投石紐兵について記録がないため、発見次第更新するかもしれません。