洲珠乃日記(すずない)

気ままな更新とサイドカーやゲームのブログ

スフェンドネスタイ

イメージ 1

イメージ 2
Rome:Total War -Europa Barbarorum-より スフェンドネスタ
スフェンドネスタイ(英:sphendenotai)
投石紐(英:Sling)


■歴史的背景
スフェンドネスタイはプシロイに属する軽装歩兵である。彼らは別に紹介したアコンティスタイよりも優れた兵種であると記述されている。その理由として、アコンティスタイは投げ槍部隊であり、彼らの携帯する投槍は最大3本であったとされる。これは間接攻撃を継続してするには少なすぎる数であり、その点スフェンドネスタイは数多くの石を携帯用の袋に入れておけばその分投射が可能であり、必要であれば現地で石を拾って応用することもできた。投石という名前で誤解しがちだが、何も彼らは石だけを投げたのではない。石とは別に鉛、青銅、鉄、土を投げている事も多い。これは石とは違って投げやすい形状を作ることが出来たからだと考えられる。特に問題になるのは拾ってきた石などで弾の形が部隊で運用するにはバラバラな事が多く不向きであった。その為同じ形の弾を量産するに至ったのだと思われる。また、彼らはトクソタイと同じく放牧民で構成されている事が多い。理由も同じで、放牧中に外敵に羊などが襲われた場合に備えて投石紐を携帯していたり、狩猟にも使用された。彼ら投石紐兵は弓兵と同じ距離を投石でき、更に弓と違って現地調達可能な投石紐兵の方が、補給が困難な状態にあっても使用できるため重宝された。また、投石紐兵は紐の種類にもよるが大抵の場合片手で投射が可能であった。その為片手に小型の盾を装備して弓矢の攻撃を防ぐことが出来た。だが、ギリシア圏での軽装歩兵はそれほど多く導入されることは少なかった。トクソタイと同様に彼らも放牧民である事が多く、戦いに行くよりも生活が優先した為支配者層も無理な徴募はしなかった。他のプシロイ同様に、重装歩兵でない兵士は戦力としてあまりみなされなかった為でもある。だが彼らは主力の重装歩兵を援護するために活動を続けた。スフェンドネスタイは知名度が低いものの、同じ投石紐兵でもロードス島、バレアス諸島の投石紐兵はその質の高さでクレタ弓兵に並ぶほど有名であった。


■装備と任務
投石紐と数種類の石弾、小型の丸盾、短剣が彼らの装備であったと思われる。基本的に重い鎧などは装備せず、トゥニカ一枚や裸であったようだ。任務は敵の主力と味方の主力がぶつかる前に装備を損傷させ、かつ敵に負傷と混乱を引き起こすのに用いられた。


■ロードス、バレアス投石紐兵との比較
まずここで取り上げたギリシアの投石紐兵は大抵の場合放牧民や山岳など岩や石の多い土地から徴募されたと考えている。その為、投石の技術を傭兵という職業に使った彼らと能力を比較するのは酷というものだ。しかし、逆に言えば彼らのような専門的な兵士たちを供給するぐらい戦場で必要とされた間接攻撃部隊だったという事である。また、ロードス、バレアス投石紐兵については別の記事で記述する。