洲珠乃日記(すずない)

気ままな更新とサイドカーやゲームのブログ

バレアス投石紐兵

イメージ 1
Rome:Total War -Europa Barbarorum-より バレアス投石紐兵


■歴史的考察
彼らはギュムネシアイとギリシア人から呼ばれていたバレアスの島民である。投石紐兵のことをギュムネスというが、ギュムネシアイと呼ばれたバレアス島民の投石術が呼び名としてつけられるほどであり、その技術の高さを物語っている。ストラボンによると彼らは幼少から投石によって的に命中させることが出来なければ食事を与えられなかったとある。このような環境で育ったバレアス投石兵は、北方のスキタイ人が生活のために狩りをしていたように子供の頃から鍛えられた。このような生活をすごすことで彼らは完全な専門家として戦場で活躍する集団になっていた。シケリアのディオドロスの記録には「彼らの投石はどの投石兵よりも多くの弾を敵に浴びせ、射程距離は非常に長く、まるでカタパルトから発射された石のようにその威力は絶大であった。この記述は彼らの尋常でない威力の投石が、楯や甲冑などの武具を破壊できた」と書かれている。更に驚くべきは彼らの投石命中率であり、ほぼ100%の命中率だったのだという。上に記載したように彼らは子供のころから投石を行い、それを母親に強制させられていた。練習方法は先ほど述べたように棒の上に標的を載せてそれを命中させるというものだ。大抵の場合標的は子供の食べ物(一切れのパン)であり、彼らは食事を取るために投石せざるを得なかった。見事命中させたパンを母親の許可を貰って子供はむさぼり食った。このような生活を続けて身に着けた投石術をもって敵と戦った彼らは、ただ単に主力部隊の前面にあって敵を攻撃するという一般の軽装歩兵以上の戦果を挙げたことは間違いない。彼らの技術は地中海世界で広く有名となり、理想的な傭兵として彼らは重宝がられた。


■装備と任務
射程距離に応じた3つの投石紐、小型の楯、ナイフのような短剣、弾を入れておく袋を持っていた。弾はどの投石紐兵もおそらく同じで、推定だったと思われるが1ミナ(436g)であったと思われ、この石弾の重さが1ミナの元になったと考えられている。また、弾は石とは別に鉛、青銅、鉄、土を投げている事も多い。これは石とは違って投げやすい形状を作ることが出来たからだと考えられる。特に問題になるのは拾ってきた石などで弾の形が部隊で運用するにはバラバラな事が多く不向きであった。その為同じ形の弾を量産するに至ったのだと思われる。任務は他の軽装歩兵と同様に敵と主力が交戦する前に投射して敵の武具を破損させ、敵の士気を挫き混乱を発生させるのを主とした。大抵の場合後方に下がるが、敵の側面から攻撃するために初めから翼面に配置されることもあった。