Holt75トラクター - 洲珠乃日記(すずない)

このトラクターは題名にもある通り、Holt75トラクターです。
Holt、そのままホルトと日本語で読めるこの会社は、第一次世界大戦(WW1)で使われた戦車の元、
または牽引車両としてその注目を浴びました。
元はトラクターなので当然農作業用に開発されたものになります。
当時Holt社とBest社はアメリカの有力なトラクター会社として競い合う中でした。
時にはBest社との訴訟問題を起こしたりもしています。
何より面白いのは、当時競っていたこともあって、
殆ど同じ性能のトラクターを両社とも販売していることになるでしょう。
その例としてもこのHolt75トラクターはBest75トラクターと比較するのに非常に適しています。

このHolt75トラクターは75馬力を有する力を持っています。
Holt75の75はここから命名されたと考えられます。

実際に見たことが無いので全長や高さなどが分からないのですが、
動画や画像で見る限りはBest75よりも前輪から後輪の覆帯までの距離が短く見えます。
つまりBest75よりも全長が短く感じられます。
バランス的に見ると、私としてはBest75の方がしっくり来るような気がします。

Holt75トラクターがどのように軍に納品されるようになったのかは情報が見つかりませんでした。
しかし、日本軍がホルト五屯牽引車を採用するにあたって、大砲を輸送する軍馬８頭で牽引しがたい
地形でもホルトトラクターは簡単に牽引が可能だったとあります。
同じような理由で各国が大砲の牽引をしたとしても想像し難くはないでしょう。
各国は第一次大戦の最中、アメリカ軍の大砲を牽引するこのホルトトラクターに目をつけて戦車の
開発を考えます。
その話については有名なことですね。
ちなみに、第一次世界大戦中に参加した有名なホルトトラクターはHolt75、
Holt120の２つが上げあられます。
また、大砲牽引車としての使用が有名なホルトトラクターですが、
大砲牽引のほかに資材用車を牽引している写真も発見しました。
列車や船で目的地の近くまで運んだ後、さらに現地まで大量の資材などを運搬するのにも
トラクターが有効だったことを示しています。