第四回 復讐と征服

また戦争か･･･しかも今回はカルタゴから仕掛けてきたとなると容易ならんな

だがどうもスパイの報告だと本国カルタゴには軍勢が見当たらないというぞ？
これはどういうことだ？

分からん、何かの罠かもしれんが･･･

すでにユリウスの第一軍団がカルタゴ派兵を決定したようだ
何も無ければすぐに終るかもしれん

･･･

[副官]
閣下、報告によるとカルタゴ上陸は滞りなく行なわれた模様です
抵抗はほぼ皆無に近く、すぐに戦闘は決したようです

一体なんだったのだ、カルタゴ軍は何処に？
やはりアフリカで軍団を壊滅させようとの考えではないのか

分からん、しかしカルタゴ軍は南と東に領地を広げている
その為戦力が回っていないだけかもしれん

[副官]
閣下！スパイからの知らせが入りました
入れ！

[スパイ]
はっ、カルタゴ市民に聞いた話ですが
どうやらカルタゴ軍の傭兵部隊はリビアとの戦争に借り出され
本体であるカルタゴ市民軍は南にある小勢力を抑えに出陣していたようです
既にその地は占領しており、この勢いですぐに本国へ帰る予定だったようです
しかし当地で治安悪化による悪影響の為にまだ離れられずにいるのだとか

[副官]
閣下、これはチャンスでは？
既にユニウス閣下の艦隊はリリュバエウムで命令を待っています
コルネリウス閣下の軍団も準備の整ったものから順にブリンディシを出港しております
うまくいけばユリウス閣下と共に素早くアフリカ沿岸を押さえられます

君の言うとおりだ、すぐに出発しよう！
兵を招集させるのだ

[副官]
はっ、召集ラッパを吹け！
部隊長は集合！

･･･

[副官]
閣下、報告によるとユリウス傘下の軍団がタプソスを制圧したそうです
ただタプソス攻撃前にカルタゴから使者がやってきて停戦を求めたそうです

どういうことだ？
よく分からんな･･･向こうから戦争を仕掛けてきたのではなかったのか？

[副官]
ユニウス閣下の海軍がカルタゴを海から守っているので敵の攻撃は防げましょうし
確かによく分からない戦争です、カルタゴは本当に戦争するつもりがあるのでしょうか

･･･

この数年で沿岸地を完全に押さえることに成功したな

[副官]
しかしカルタゴもマサエシリを征服し油断なりません
やはりカルタゴの狙いはこの広大なアフリカ大陸で消耗戦を仕掛ける気では？
すでに軍団の死者数は1万を超えます
このままでは政治や市民の力にも影響が

確かに、先の戦いではカルタゴ軍のほぼ全軍と戦うことになり多大な損害を出した
流石にカルタゴ正規軍の力は違う
あの象という動物も戦いづらい相手だ

･･･

[副官]
軍事日誌
紀元前225年、軍団の新たな編成が布告される
これによると軍団の装備が国によって支給され、装備の統一と質の向上が図られた
訓練内容の変化と兵士を募集する制限を取り払ったことで兵士が集め易くなった
また正規軍とそうでない軍との違いも明確に分かれる事になった
これならば我が軍は更に強くなることだろう

これは凄い、ユリウスめやるではないか
先の戦いで大勢の兵士を失ったことでこのような手段を考えていたとは
しかも質まで向上して軍団の更なる効率かが図られておるわ
直ちにこの方法に沿って軍団の訓練を開始するぞ！

･･･

[副官]
閣下、報告ではユリウス閣下が南の州を統一されたようです
流石に新軍団は強いですな
我等もそろそろ訓練を終えても良いころです
出陣なさってみては如何でしょうか

ん？

どうした？

[副官]
いえ、どうやらカルタゴとの戦争は終結してしまったようです
和平を結んだとユリウス閣下からの知らせが･･･

なんだと！？
どういうことだ、あと一歩ではないか！！

[副官]
書状によるとカルタゴ軍の力が完全に失墜したのは間違いなく
変わってスペインで活動していたバルカ家のノヴァ・カルタゴの活動が活発との事
その為直ちに戦闘目標を切り替えてノヴァ・カルタゴとの戦争に目標転換するそうです

すると西アフリカ沿岸を全て押さえるつもりになったのか
それなら仕方がないな
ついでにスペインまで頂いてしまおうというのも悪くない！
出陣だ！